タクシー会社への就職・転職を考えている方向けに、「絶対にチェックすべき条件」を17項目上げさせて頂きます。
以前、良いタクシーの会社の選定方法という記事を書きましたが、今回は更に掘り下げて「給与体系」「歩合率」「保証給」のような収入面など、具体例をあげながら掘り下げて解説しますね!
※ 私が実際に面接を受ける際に調べた会社の中から「大手(A社)」「準大手(B社)」「鉄道系(C社)」「中小(D社)」の4社の情報をあげていますので参考にしてください。
① 通勤時間
「どのくらい通勤時間がかかるか」は絶対にチェックしてください!
隔日勤務の場合、1回の乗務で21時間拘束されますので、通勤時間が長いと体力的に相当な負担がかかります。
通勤時間は短いに越したことはないことだけは間違いありません。
② 通勤手段と仮眠室
通勤時間だけでなく、マイカーやバイク、自転車通勤の可否もチェックしましょう!
3時とか4時に営業所に戻っても、始発まで帰ることができないですからね…
また、通勤手段が公共交通機関のみという場合、仮眠室の有無・使用の可否も重要なチェック項目です。
- A社:不可
- B社:不可
- C社:可
- D社:可
③ 入社祝い金としばり期間
入社時期にもよりますが、タクシー会社は入社祝い金を用意している会社が多いので、金額と貰える時期と条件(しばりなど)をチェックしてください!
大抵の場合は、一部が入社数か月後だったり、祝い金が出る代わりに2~3年の勤続期間の縛りがある会社が多いからです。
また、しばり期間途中で退職した場合、入社祝い金を返さなければならない取り決めがある場合が多いので注意が必要です。
- A社:無し
- B社:20万円
- C社:20万円
- D社:20万円
タクシーの求人を見ると、超高額の入社祝い金を前面に打ち出している会社が多いですが、あまりに高額な会社は何か裏があると思っておくといいでしょう。
④ 地理試験や二種免許の取得費用負担など
タクシードライバーになるための地理試験や二種免許取得費用が会社負担かどうかチェックしてください!
「地理試験費用は1回目だけ会社負担で2回目以降は自己負担」「地理試験費用は2回目まで会社負担」などの違いがあるからです。
- A社:会社負担(1回のみ)
- B社:会社負担(2回まで)
- C社:会社負担(1回のみ)
- D社:会社負担(1回のみ)
⑤ 保証給
タクシードライバーは歩合給なので、デビューしてから一定期間最低保証給があるのですが、会社によって大きく金額が違うので要チェックです!
- A社:6ヶ月間30万円
- B社:12ヶ月30万円
- C社:12ヶ月40万円
- D社:3ヶ月30万円
同時に「ハンドル時間」問う「最低、1乗務で〇〇時間走ること」というルールとセットになっていることが多いです。
⑥ 研修期間中の日当
研修中の日当も各社バラバラなので、しっかりチェックしておくといいでしょう!
- A社:1日1万円+交通費
- B社:1日1万円+お弁当 or 500円
- C社:日給10,500円+交通費全額支給
- D社:研修期間中は日給1万円支給(研修実施日)
⑦ 研修期間
研修期間もタクシー会社によって違うので、大切なチェック項目です。
- A社:1ヶ月~1ヶ月半程度
- B社:2ヶ月(最低28日間)
- C社:1ヶ月~1ヶ月半程度
- D社:1ヶ月~1ヶ月半程度
ただ、研修期間に関しては、地理試験に1回で合格できるかどうか、二種免許を最短で取得できるかどうかなど、個人の努力や能力差で変わることがあることも伝えておきますね!
⑧ 研修場所
自分が配属になって通う営業所の場所だけでなく、研修場所も必ずチェックしてください!
本社など研修場所が営業所ではない場所で行われる会社が多いです。
また、研修期間中は電車通勤になるので「あまりに遠方」だと1ヶ月以上続く研修に行くのも大変ですし、自己負担の場合は交通費もバカになりません。
- A社:本社・その他
- B社:本社と周辺のビル
- C社:不明
- D社:本社・その他
⑨ 勤務日数・時間・休日
勤務日数(1ヶ月に何回乗務するか)と、1乗務の実働時間、休日は絶対に外せないチェック項目です。
稼ぎたいのであれば、1ヶ月13乗務できる会社、時間的・体力的余裕が欲しいのであれば1ヶ月11乗務でもOKな会社を選ぶ必要があるからです。
また、会社によって「最低1回の乗務でハンドルを握って欲しい(走って欲しい時間)時間」が決まっていたり、公休の日数やシフトの柔軟さなども違いますので注意が必要です。
- A社:1乗務15.5時間/月11~12乗務、月7~9日(シフト制)
- B社:月11~12勤務(1乗務実働16時間)、公休:月8~9日
- C社:月12勤務:7:00~、8:00~、12:00~、13:00~、15:00~から選択、月6~7日(シフト制)
- D社:月11~13乗務(1乗務実働15時間):出庫時間を選べる、交替制/月5~7日
ちなみに、私の会社は月11勤務で1ヶ月に1度5連休があるので、プライベートも充実しやすい勤務体系になっています。
⑩ ノルマ・足きり
表立っては言いませんが、ノルマや足きりが存在している会社は多いです。
- A社:ノルマ無し・足きり無し
- B社:ノルマ無し・足きり無し
- C社:ノルマ無し・足きり無し
- D社:ノルマ無し・足きり無し
上記の「ノルマ・足きり無し」は、面接やタクシー会社で働く前に調べた段階のものですが、売上が悪いとプレッシャーをかけてくる、本社で面談がある、足きりが存在するということを後々知ることになりました。
お金のことは聞きづらいかもしれませんが、面接のときにしっかり確認しておくことをおすすめします!
⑪ 歩合率
タクシー会社で働く上で最も重要なチェック項目は歩合率です。
- A社:月の売上の52.5%
- B社:歩合率:61.81%
- C社:不明
- D社:試採用期間約56%/本採用後約61%前後
例えば、A社のように歩合率は低い代わりに、賞与や手当が出る会社もあれば、B社のように歩合率は良いが賞与や手当無しという会社もあるからです。
あと、営収(売上)に対して細かく歩合率が設定されている会社もあれば、5万円単位で歩合率が変わるような会社もあるため、同じ売上でも収入が違うというのが現状です。
ノルマ・足きりと同じで、歩合率に関しても必ず確認するようにしてください!
⑫ 給与体系・手当
タクシー会社の場合、最低保証給と諸手当という給与体系ですが、各社若干の違いがあるのでチェックは欠かせません。
- A社:月給18万5546円~20万1500円 + 歩合
- B社:月給188,700円~500,000円以上+諸手当
- C社:B型:月給20万7000円+無事故手当6000円+乗務手当+歩合給
- D社:B型(基本給+残業・深夜・無事故手当て)
⑬ 賞与
タクシー会社の場合、賞与がある会社は珍しいですがチェックはしておきましょう!
- A社:年3回(3月・7月・11月)その他業績により支給
- B社:無し
- C社:無し
- D社:無し
ちなみに、賞与がある会社は歩率が低く抑えられいるだけで、その分収入が大幅に高いわけではありません。
⑬ ドライバー負担
タクシー会社の中には、クレジット決済手数の一部をドライバーが負担するような会社が存在するのでチェックしておくことをおすすめします。
- A社:手数料乗務社員負担一切なし
- B社:チケット・クレジット・電子マネー決済手数料会社負担
- C社:有料道路・燃料費・クレジットカード乗務員負担手数料なし
- D社:チケット・クレジット・電子マネー決済手数料会社負担
多くのタクシー会社でドライバー負担がある高速代に関しても、負担率などが違うので忘れずに確認するようにしておきましょう!
⑭ 配車の種類と数
現在のタクシーでは、アプリ配車の種類と数がドライバーの収入を大きく変える要素なのでチェックしておくべきです!
【配車アプリ】
- A社:SRIDE・フルクル・自社タクシーアプリ
- B社:Uber・GO(1乗務の約6割が配車アプリ)
- C社:GO
- D社:GO
【無線】
- A社:無線配車件数年間150万件以上
- B社:自社無線
- C社:私鉄協同無線配車
- D社:東京無線
⑮ 法人契約
法人契約が多いと、チケット利用のお客さまのご利用が多くなるのでチェックが必要です。
- A社:法人契約8000社
- B社:少ない
- C社:自社グループ
- D社:東京無線の契約が多い(報道・マスコミ)
ちなみに、私は法人契約の多さではなく「アプリ配車」を取って会社を選んだのですが、1ヶ月に数枚しかチケットでのご乗車がありません。
⑯ 専用乗り場
その会社しか付けることができない専用乗り場の数はチェックしておきましょう!
- A社:都内28ヶ所
- B社:都内8箇所
- C社:専用乗り場無し
- D社:東京警察病院など病院系の専用乗り場多数
休憩時間を兼ねることができる付け待ちは、営業効率を上げることができるので重要なポイントです。(逆にサボりに使うタクシードライバーもいますが…)
⑰ その他
タクシー会社には、「その会社にしかない特色や特典」などが存在するのでチェックをお忘れなく!
- A社:タクシードライバーからハイヤードライバー、個人タクシーへステップアップやバスドライバーや内勤業務へキャリアチェンジも可能
- B社:eラーニング動画、無料英会話講座、反射光カット(JINS LENS)・睡眠時無呼吸症候群 治療・メタボ社員ZERO
- C社:洗車機完備(無料)
- D社:Wワーク・副業可
まとめ
大手から中小零細まで、いろいろなタクシー会社があり諸条件もバラバラです。
入社祝い金を貰ったり、地理試験や二種免許取得の費用が会社負担の場合、早期に退職すると「返金」しなければならないので簡単には辞められません。
ですので、特に「お金のこと」に関しては、エージェントや面接担当者、もし、知り合いにタクシードライーバがいるのであれば、納得するまで情報収集するようにしてください。
私はたまたま良い会社に入社できましたが、それでも入社してから「そうだったの?」と初めて知ったことが多数ありましたので、念には念を入れて条件をチェックすることを強くおすすめします!
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